イングリッシュコッカーのグルーミング

基本的な事のみです。
家庭でのお手入れはこの程度で十分だと思います。

まずはクリッパー(バリカン)です。
胸のエプロン部分を短く刈り込みます。
胸骨(胸にある前に尖がった骨です)
より3〜4cmぐらい上部より毛の流れに
逆らってクリッパーを入れていきます。
1〜2mmぐらいの刃がいいでしょう。

胸の部分は写真のようにU字のイメージで
刈り込みます。
そのまま、下顎、頬部まで続けて刈り込みます。

次に顔、マズルの部分です。
マズルの太い子は逆刃
(毛の流れに逆らって刈る事)でクリッパーを
当てます。マズルの細い子は逆に毛の流れに
逆らわずにクリッパーをあてます。
(写真のように)
ストップ(目と目の間)まで刈り込みます。
胸、首、頬に自然になじむように刈り込んで
いきます。

今回のモデルはウーマ君です。

ウーマはマズルが太めですので
逆刃で刈り込みます。
写真の刃は1mmです。

左半分だけ刈り込んだ状態です。

サイドから見た写真です。
イマジナリーライン呼ばれる線
(目じりから耳の付け根辺りをつないだ線)
より下をクリッパーで刈り込みます。
写真は耳まで刈り込んでいます。

サイドから見た感じです。
胸から頬、耳の付け根の刈り込みの
イメージです。
耳の付け根から首筋にかけての
部分は刈り込んだところと肩甲骨の
前部にかけてぼかすように
ブレンディングしていきます。

耳の内側も刈り込みます。
刈り込む場所は耳朶が2重になっている部分
(写真でのライン下側にあります)と反対側の
同じ長さの部分までです。

広げて見た写真です。
耳の付け根より並行に刈り込みます。

耳朶の表側です。
内側と同じように刈り込みます。
立たせた時に地面と平行になるように
イメージしてください。
インギーは耳は下方につくと
スタンダードにありますので
耳の付きが下に見えるように
刈り込みます。耳の大きさにより
多少変化

スカル(頭頂部)のカットです。
セニング(スキバサミ)を使い
カットしていきます。
先ほどクリッパーで刈り込んだ部分と
を自然な感じでつながるように
カットしていきます。クリッパーで
刈り込んだイマジナリーラインにかけて
段々短くカットしていき境目をぼかします。
ブレンディングといいます

頭部の完成です。

次にボディ部分です。
胸骨から大腿骨の付け根を結んだ線
(写真の下線)
より下はコートを伸ばしていきます。
そこより上線部分まではぼかします
(ブレンディング)
肩甲骨から上腕骨の部分は
肩のラインがわかるように若干短く
していきます。

ボディの部分は基本的にアンダーコートの
除去が大半です。

@方法としては指で抜いていく方法
Aナイフで抜いていく方法
Bセニングで切る方法
Cクリッパーで刈り込む方法
Dストーンで抜く方法

などがあります。

セニングを使うとブレンディングなどはキレイに
仕上がります。しかしオーバーコートも一緒に
カットしてしまいます。
また、クリッパーを使う方法は一番手軽で
時間もかかりません。家庭でのお手入れには
一番向いていると思います。しかしこの方法も
オーバーコートをカットしてしまいますので
ショーなどでは問題があります。

写真は指で抜いています。
この方法は仕上がりが一番きれいですが
手間がかかり時間もかなりかかります。
ショー向きで一般家庭向きではないでしょう。

写真はナイフを使って
アンダーコートを除去しています。
慣れてくるとこの方法が簡単で
仕上がりもきれいです。
黒いコートの部分はアンダーコートが
白い部分より多く手がかかります。
丁寧にゆっくりしていきます。

写真はストーンを使い
アンダーコートを除去しています。
ストーンでは少しづつしか
コートが取れませんから
時間はかかります。
指の次に手間暇がかかります。

どの方法で行なっても
最後の仕上げはストーンをかけると
キレイに仕上がります。

首から肩、ボディーに続いていく
イメージです。見やすいように
耳を持ち上げています。

テールは下半分はクリッパーで
刈り込みます。
上部はボディと同じように
仕上げていきます。
ランプ(臀部)はボディのラインと
調和するように仕上げていきます。
後肢の付け根はコートが渦を巻いている
部分(つむじ)より下は伸ばします。
そこより上部はカットしていきます。

パット部分。
パットからはみ出したコートは
カットしていきます。
爪もこの際カットして下さい。
テーブルの上に寝かせた方が
やりやすいです。
パットを傷つけないように
注意して行なってください。

パスターンからパット上部にかけて。
指の間から出ている余分なコートを
カットしていきます。
指の形が硬く握ったような形に
なるのが理想です。(猫の足のように)
緩く握る(ウサギの足のように)ような
形の子はカットで調整します。


パスターン前部の余分なコートも
除去していきます。

パスターン後部と上腕の飾り毛は
パットの部分から地面に付かないように
カットしていきます。
腹部からのコートが十分にある子は
ココからキレイなアーチを作りながら
後肢の飾り毛までつなげていきます。

完成です。
自分でトリミングやグルーミングを
する事はスキンシップにもなり
犬、人共に楽しい時間です。
楽しみながら行なってください。